【温泉豆知識】温泉に入るなら知っておきたい成分「泉質」って何

温泉の成分について疑問に思ったことはありませんか？

今回は、温泉に入るなら知っておきたい成分「泉質」についてご紹介致します。

■温泉の「泉質」って何？

一口に「温泉」と言っても、温度・色・匂い・肌触り・液性・化学成分といったさまざまな特徴があります。

そして、「どういった種類の化学成分が、一体どれくらいの量が含まれているのか」を判断することができるのが温泉の「泉質」。

またその中でも一定の化学成分を含みつつ、「療養」に特化した泉質をもっている温泉を「療養泉」といいます。

療養泉は「鉱泉分析法指針」に基づき、主成分の違いによって10種類に分けることができます。

■【温泉の成分】10種類の泉質をご紹介

10種類の泉質をそれぞれご紹介していきます。

・単純温泉

日本の温泉内で一番多いとされているのが単純温泉です。

柔らかい肌触りで、肌への刺激も少ないのが特徴としてあり、子どもからお年寄りまで安心して入浴することのできる低刺激な温泉となっています。

単純温泉の適応症には、自律神経不安定症・不眠症・うつ状態といったものが挙げられます。

・塩化物泉

日本において単純温泉の次に多い泉質となっています。

主な成分は塩分であるため、無色透明で塩辛い泉質が特徴です。

入浴すると塩の成分がお肌の水分を閉じ込めて蒸発することを防ぐため、湯冷め防止も期待できる温泉です。

塩化物泉の適応症には、末梢循環障害・冷え性・うつ状態・皮膚乾燥症・切り傷といったものが挙げられます。

・炭酸水素塩泉

肌表面の角質・毛穴汚れを落とす効果があり、肌の余計な物を綺麗さっぱりと無くしてくれます。

このため、肌が柔らかくなったと感じる方も多いです。

炭酸水素塩泉の適応症には、末梢循環障害・冷え性・皮膚乾燥症・切り傷といったものが挙げられます。

・硫酸塩泉

硫酸塩泉に含まれる保湿成分が肌に付着すると、しっとりとした肌ざわりになります。

硫酸塩泉の適応症には、末梢循環障害・冷え性・皮膚乾燥症・切り傷といったものが挙げられます。

・二酸化炭素泉

日本では珍しい「炭酸ガス」を含んでいる泉質です。

入浴によって炭酸気泡が全身に付着し、皮膚から炭酸ガスが吸収されることによって血液循環が促されます。

二酸化炭素泉の適応症には、末梢循環障害・冷え性・自律神経不安定症・切り傷といったものが挙げられます。

・含鉄泉

鉄分を含んでいる泉質であるため空気が触れることにより、温度が酸化し透明から茶褐色に変化していきます。

含鉄泉の適応症には、鉄欠乏性貧血が挙げられます。

・酸性泉

酸性度の高い温泉となっています。

殺菌効果が高いため、皮膚病に効果があるとされています。

酸性泉の適応症には、アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・糖尿病・表皮化膿症といったものが挙げられます。

・含よう素泉

よう素を含んでおり、茶褐色の温泉になります。

酸化力が強いため殺菌作用に加えて、コレステロール値を低減させる効果や動脈硬化予防も期待ができます。

含よう素泉の適応症には、高コレステロール血症が挙げられます。

・硫黄泉

独特な強い臭いがあるのが特徴です。

硫黄泉はアトピー性皮膚炎などの皮膚病に効果が高いとされています。

肌に対する刺激が強めであるため、入浴後は身体に付いた温泉の成分をシャワーでしっかりと洗い流すことが大切です。

硫黄泉の適応症には、アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・慢性湿疹・表皮化膿症といったものが挙げられます。

・放射能泉

その名の通り、「ラドン」という微量の放射線を含んでいる温泉です。

放射線で体に程よく負担をかけることで体の免疫を強化するという効果があります。

ほかの泉質には無いような適応症をもっていることから、「万病の湯」とも呼ばれています。

放射能泉の適応症には、痛風・関節リウマチ・強直性脊椎炎といったものが挙げられます。

■おわりに

今回は、温泉に入るなら知っておきたい成分「泉質」についてご紹介致しました。

「○○に効果がある」という表記を目にすることはあっても、泉質については詳しく知らなかったという方も多いと思います。

湯村温泉のお湯は別名「美人の湯」とも呼ばれており、ご紹介した「炭酸水素塩泉」「塩化物泉」「硫酸塩泉」の3つの泉質を併せもっています。

「炭酸水素塩泉」が古い角質や毛穴汚れを落としてお肌を柔らかくし、「塩化物泉」に含まれる塩の成分がお肌の水分を閉じ込め、「硫酸塩泉」の保湿成分がお肌全体を包みこみ、しっとりとしたお肌に仕上げてくれます。

温泉に入る際は、温泉の「泉質」についてもぜひチェックしてみてくださいね。

※写真1枚目…山陰湯村温泉湧泉の宿ゆあむ「かわの湯」露天風呂
※写真2枚目…山陰湯村温泉湧泉の宿ゆあむ「やまの湯」内風呂
※写真3枚目…他の泉質イメージ

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